ヨコハマ・フットボール映画祭2015  加藤未央 
2015年04月16日

「ヨコハマ・フットボール映画祭2015」に潜入!
“フットボール愛”を存分に語り合える素敵な空間
植田朝日氏がiPhone片手に作った「ユルネバ」がクセになる

フットボールを愛する多くの人に支持される「ヨコハマ・フットボール映画祭」に加藤未央が潜入! あらゆるジャンルのフットボール映画はもちろんのこと、トークショーや各種展示など、フットボール愛が詰まったイベントは今年で5回目を迎えた。中でも“カリスマ・サポーター”として知られる植田朝日氏が手掛けた「ユルネバ~キミはひとりじゃない~」は、加藤未央の心に残る、“異色の作品”だった。

text&photo by Mio KATO

文=加藤未央

 2月半ば、「ヨコハマ・フットボール映画祭2015」に行ってきました。2011年から開催されているこの映画祭は、今回で5回目。“世界各地で公開されたフットボールにまつわる映画を集めて上映する”と言ってしまえば簡単に聞こえるけれど、日本語字幕のない映画に関してはスタッフの方々が自分たちで時間を掛けて和訳して字幕を付けるというのだから、その陰の努力たるや大変なものです。

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 しかも今年からは、「横浜以外でも開催してほしい」という多くのファンの要望に応え、1月17日の「ニイガタ・フットボール映画祭」を皮切りに、仙台、松本、愛媛、横浜、大阪、福岡、そして3月14日の「サッポロ・フットボール映画祭」まで、全国各地のサポーターグループなどとの共催により8都市での上映会が開催された、まさに「日本を代表するフットボール映画祭」なんです。

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 私が訪れたヨコハマ会場は、みなとみらいにある「ブリリア ショートショート シアター」という、ショートムービーを専門とした映画館でした。映画館の入り口には、「ソラミミ~ア~ワ~♪」でも有名なイラストレーターの安齋肇さんがデザインされた映画祭キャラクターのパネルが立っていて、お客さんを出迎えてくれました。

 会場に入ると、こじんまりとしたスペースながらも少し明るさを落とした照明や、階段一面に敷かれた赤いカーペットなど、ラグジュアリーな雰囲気が漂っていました。そんな中に、見て触って分かるブラインドサッカーの体験ブースや、FOOTARTISTのJUNさんの写真作品、手作りのアクセサリー、それにタカハシカオリさんのフィギュアなどが展示されていました。上映される映画だけではなく、イベントスペースに展示されているフットボールにまつわるモノに触れながら、訪れた人たちを楽しませる趣向が凝らされていました。

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 アーティストの方たちと来場されたお客さん、また映画の出演者やメディアの人たちもそこに集まるので、それぞれが持つ“フットボール愛”を存分に語り合える素敵な空間でした。

 私が今回観させていただいたのは、「ユルネバ~キミはひとりじゃない~」。FC東京のサポーターとしても有名な植田朝日さんが監督として携わった映画です。この作品を作るきっかけとなったのは、なんと植田朝日さんのケガでした。2014年11月に足のケガで入院中、「2週間やることがなくなったから映画でも作るか!」なノリで制作が決まったのだそうです。その制作決定と同時にヨコハマ・フットボール映画祭への出典も決まったので、「ゴールが決まっちゃったので逃げられなくなった(笑)」と当時を振り返る植田さん。なんと5日間という短い撮影日数で全部を撮り終わったという驚異的なスピード制作の映画ですが、「FC東京あるある(?)」を随所に散りばめながらサポーターの愛情を描いた、とっても楽しい、それでいてちょっとクセになる作品でした。

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 そしてこの「ユルネバ」ですが、なんと6台のiPhoneと2台のiPadのカメラ機能を駆使して撮影された作品なのだそうです。映画を作ることってハードルが高くてすごく難しいものだと思っていましたが、そういった新しいアイデアも映画制作を身近に感じさせてくれました。

 事前にヨコハマ・フットボール映画祭の公式サイトに掲載されていた上映作品のリストを見て、「あれも見たい、これも見たい」なんて思っていましたが、今回は私の時間の都合でわずか1作品しか観られず……。来年度の映画祭では、どっぷりとフットボール映画に浸かった時間をフットボール仲間と一緒に過ごしたいですね。そんなフットボールなお時間、あなたもいかがですか?

ヨコハマ・フットボール映画祭2015
http://2015.yfff.org
2011年の初開催以来毎年開かれ、5回目を数えた今回は初めて8都市で上映。サッカー観戦や、プレーが忙しいサッカーファンのために、最新のサッカー映画中心に、過去の名作を織り交ぜつつ、プログラミングされている。選手もの、コーチもの、サポーターもの、歴史もの、フィクション、ドキュメンタリーなどジャンルを問わずにサッカーファンが楽しめる作品を上映する、国内最大規模のフットボール映画祭。トークショーや様々な展示もあり、作品の背景やテーマ、制作秘話が分かるトークショーなども実施され、映画のみならず楽しめる催しが目白押し。





加藤未央(かとう・みお)

1984年1月19日生まれ、神奈川県出身。 2001年に「ミスマガジン」でグランプリを獲得し、05年には芸能人女子フットサルチームにも所属。07年から09年まで「スーパーサッカー」(TBS)、09年から15年まで「スカパー!」 のサッカー情報番組「UEFA Champions League Highlight」のアシスタントを務め、Jリーグや海外サッカーへの知識を深めた。現在は、ラジオ番組「宮澤ミシェル・サッカー倶楽部」などにも出演し、フットサル専門誌「フットサルナビ」でも連載中。15年4月からオフィシャルブログ「みお線」もスタートした。http://ameblo.jp/mio-ka10/

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