カレン・ロバート  加藤未央 
2014年12月09日

加藤未央が聞く! カレン・ロバートが明かした本音
「柏レイソルで引退したい」(前編)

加藤未央が、カレン・ロバートがプロデュースするローヴァーズ フットサルスタジアムで本人への直撃インタビューを敢行。余談が9割、地元(サッカー)愛が0.5割というアウトローな対談となった。さらに、残りの0.5割は今気になるスキンケア事情という、まさにカレンと加藤の掛け合わせでしか生まれない、ぶっちゃけトークをご覧あれ。

Interview by Mio KATO
Photo by Yoshinobu HONDA

文=加藤未央

タイ料理は嫌い

加藤 ROOTSの副編集長に就任しました加藤未央です。よろしくお願いします。今日は初めて木更津に来ました。
カレン 実は僕もこの施設になかなか来れていなくて、ようやく顔を出すことができました。
加藤 カレン選手は茨城県出身なんですよね。
カレン そうです。ただ、小学4年生から柏レイソルのジュニアユースでサッカーをしていたので、僕のサッカー歴は千葉県の方が濃いんです。
加藤 ということは、どちらかと言うと千葉県に愛着があるんですね。
カレン そうなんです。なのでどうしても千葉県でフットサルコートをオープンしたいと思っていました。それで「sfida」というフットボールブランドを手掛ける株式会社イミオの倉林(啓士郎)社長に相談して、すごく良い場所を見付けていただけて本当に感謝しています。ココ、大きく書いておいてくださいね(笑)。
加藤 わかりました(笑)。このフットサルコートでもサッカースクールを開校されていますが、それはどんな思いからなのでしょうか?
カレン 元々、他の場所でスクールをやっていましたが、もっと複数の場所でやりたいと思っていたということと、場所を借りるのがやっぱり大変だということがありました。それならコートを作って自分たちがやりたいようにやろうという考えです。スクールがオープンした2013年に、「5年以内には」と話していたら、まさかの1年でコートをオープンすることができました(笑)。これも倉林さんのおかげなんです、ありがとうございます(笑)。
加藤 このインタビューの音声データ、倉林さんは聞きませんけど(笑)。
カレン じゃあそこをなんとか、聞いてもらえるようにできませんか?
加藤 できますよ、そのままインタビューを載せてしまえばいいんです。
カレン ではお願いします! 倉林さんへの感謝の気持ちは本当に大きいので。
加藤 そうなんですね。ところで、今日はユニフォームを着て来ていただいていますが、胸に描かれている像はまさにタイっぽいですよね。
カレン これは僕が所属しているスパンブリーFCのユニフォームで、胸の像はメインスポンサーである「chang(チャーン)」というビールや水を作っているタイ企業のロゴです。イングランドのプレミアリーグのチームにもスポンサードしているんですよ。
加藤 それは知りませんでした。タイで1年間過ごされてみて、実際のところはどうですか?
カレン ……。
加藤 今の表情、撮っておきたかったですね。
カレン 表情で判断していただきたいです(苦笑)。まあ独特ですし、サッカーはできているので、そこは楽しんでやっています。
加藤 暮らしの方はどうですか?
カレン 暮らしは、僕が住んでいるのはバンコクから1時間半くらいの田舎なので、本当のタイという感じです。バンコクは日本で言えば東京みたいな都市なんです。バンコクに行かれたことはないですか?
加藤 ないですけど、すごい行きたいんです。私、タイ料理が大好きなので。
カレン 僕は大嫌いです。
加藤 えっ、そうなんですか(笑)。
カレン はい、ガチで嫌いです。
加藤 何が嫌いなんですか? パクチーなどの香辛料ですか?
カレン いやもう辛すぎて、レベルが違うなって。タイ人が言っていたんですけど、韓国料理は辛くないらしいんですよ。
加藤 本場のタイ料理ってそんなに辛いんですね。
カレン もう次元が違いますよ。唇がヒリヒリするのは当たり前ですから。
加藤 辛くないものはないんですか?
カレン あんまりないです。チキンフライとか、揚げ物料理は辛くないですけど。
加藤 でも私は辛党なので、それでタイ料理が本当に好きなんです。
カレン そんなにですか? そこまで好きな人っているもんなんですね。
加藤 毎日タイ料理を食べても大丈夫なくらいです。
カレン じゃあタイ米も大丈夫なんですね。
加藤 問題ないです。
カレン 臭くないですか?
加藤 ははは、カレン選手は繊細なんですね。食事は合わないけど、サッカーはできているんですね。
カレン はい、自炊をしているので。
加藤 そうなんですね、どんなものを作るんですか? 食材とかはどうするんですか?
カレン 食材は僕が住んでいるスパンブリーでも日本食は何とか手に入るんです。日本米や豆腐とか、あと納豆はあるけど高いから買いません。3つ入りのワンパックで300円とかするんです。
加藤 高いですね、日本では100円とかだから3倍も……。安いと68円の時とかありますからね。
カレン よくご存知で、家庭的なんですね。
加藤 私も自炊しているので。
カレン それは大事ですよね、お金貯まりますよ。
加藤 そうですよね、それにそっちの方が健康的ですからね。
カレン はい、自己管理ということももちろん考えているので。

飲めるふうを装ってハイボールで

加藤 カレン選手は、タイリーグの前はオランダでもプレーしていましたし、その前はJリーグでプレーされていました。Jリーグとタイリーグはどう違いますか?
カレン 選手の質というか、考え方が全然違いますね。
加藤 それはどんなふうにですか?
カレン 日本人はあきらめないという考え方がすごく強いですが、タイ人は、「まあいいだろう」って試合中でも負けていたら気持ちが折れてしまう。そういうメンタル的な弱さがありますし、それとみんな自国が好きで外に出たがらない。暮らせていればそれで満足で、もっと上を目指したいっていう向上心がある人は少ないですね。本当にお酒が好きですし、彼らは毎日ビールを飲んでいますよ。
加藤 カレン選手はあんまりお酒が得意ではないとうかがっていますが、飲まれるんですか?
カレン いや、お酒はあんまり好きじゃないんですよ。そもそもビールが好きではないですし。
加藤 じゃあ何を飲むんですか?
カレン いや本当にお酒自体ほとんど飲まない。酔いたいともあんまり思わないし、そういう空気の時があれば飲んでみようかなってくらいです。
加藤 それ、全く一緒です。私もお酒に全然興味がなくて。
カレン そうなんですね。何がおいしいのかもさっぱり分からないですから。
加藤 そう、普段から飲みたいとも思わなくて、飲み会とかでみんなが飲んでいて私だけソフトドリンクではダメな場ってあるじゃないですか。だから私も一応、頼んでいますけど……。
カレン そうそう、それはやっちゃダメですからね。サワーに逃げてください。何サワーかな、パイナップルとか(笑)。
加藤 いえ、意外と遊びのないウーロンハイとかだったりするんですけど(苦笑)。
カレン ウーロンハイ、(お酒の割合が)強い時あるからな。
加藤 じゃあそういう時は何を飲まれますか?
カレン 僕は、ハイボールでちょっと飲んでいるふうにごまかして、「あいつ飲めるやつじゃん」って思わせて、でも全然進んでいない感じですね。
加藤 なんで、飲めないのに飲んでいるふうを装うんですか(笑)
カレン なんか、ハイボールを頼む人ってちょっと飲みそうじゃないですか。
加藤 すみません、私はその感覚分からないです。
カレン あっ、僕の感覚ですね、すみません。
加藤 はははは(笑)。
カレン というか、こんな話だけで大丈夫ですか? ほぼ飲食の話で……(苦笑)。
加藤 ……すみません。私の舵取りがイマイチで……。
カレン いや、僕は楽しいから全然いいんですけど。
加藤 飲み会の話になっちゃいましたね。私はウーロンハイなんですよね。カレンさんが辛いものが苦手なように、私は食事に甘い飲み物を合わせるのが苦手なんです。
カレン なるほど、コーラとかジュースとか。
加藤 そうです。単体で飲むのはいいんですけど、食事にはお茶とか遊びのないすっきり系で。
カレン 僕はコーラは大好きですけどね。
加藤 タイのコーラもおいしいですか?
カレン いや、全部一緒です。
加藤 そうなんですね。
カレン まあ生きていけますよ、タイでも。本当の田舎に行かなければ。

あれ、これはサッカーの話になるのだろうか……。もちろん、ちゃんと入ってます。核心はココから。
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気持ちはすごく大切

加藤 カレン選手は現在29歳ですよね。35歳まで現役を続けたいという話をうかがいました。
カレン よく知ってますね。
加藤 もちろんですよ。
カレン 「調べてきました!」みたいな。さすが副編集長、ハンパないです。
加藤 もちろんです。では35歳までにやりたいことって何ですか?
カレン 一つあります。イングランドのプレミアリーグは実績的に難しいので、(2部リーグに相当する)チャンピオンシップを目指しています。まあそれは夢ですよね。でもそれがあるからこそ、今タイでも頑張れているのかなとは思います。
加藤 そこまでイングランドにこだわる理由というのは何でしょうか?
カレン すごくかっこ悪いんですけど、僕は顔が外国人っぽいじゃないですか。
加藤 そうですね(笑)。
カレン ひどい、その発言大丈夫ですか(笑)。まあまあ、それで僕は英語がしゃべれないんですよ、そんなに。今は多少は日常生活が送れるくらいは話せるようになったんですけどね。
加藤 小さい頃はどうだったんですか?
カレン 小さい頃は話せていましたが、でもずっと日本で育っていたので忘れてしまいました。それで25歳の時にオランダに渡って、最初から英語を始めて、それで少しはしゃべれるようになりましたけど、でも本当に話せるようになりたいんです。なので、英語をイングランドで学びながら本場でサッカーをやりたいと思っています。それで2年くらいしたら、理想的には……あれ、これは言わない方がいいのかな。チーム名を言ってしまうと、そこしか可能性がなくなっちゃいますから……。
加藤 そこはもう、言ってしまいましょう。
カレン ……では、下部組織でお世話になった柏レイソルに戻りたいんです。
加藤 すごい! それは愛着というか、すごく愛を感じます。
カレン 感じますか……じゃあ公式発言ということにしてしまいましょう。
加藤 私は気持ちはすごく大事だと思います。
カレン おお、すごい褒めていただけますね。
加藤 最終的に何かを左右するのは気持ちだと思いますから。金よりも愛で結婚するタイプです(笑)。
カレン はっはっはっ、じゃあ愛について語りましょうか(笑)。
加藤 このインタビューだけじゃ足りなくなっちゃいますよ。
カレン まあまあ、でも柏レイソルなんです。そこで最後、現役を引退したい。お世話になったというか、そこがベースで今もできているので、戻りたいですね。
加藤 じゃあ、それまではずっと頑張り続けられるということですね。
カレン そうですね。そこまではやるつもりです。(パフォーマンスが)落ちてきて辞めるのは嫌で、35歳以降でもサッカーはできると思うんですけど、やっぱり動けなくなって辞めるのは、個人的なプライドというか、あまり気持ちが良くないので、いい状態で気持ち良く、最後は柏レイソルで現役を引退したいんです。

金よりも愛、何よりもお世話になった柏レイソルで最後を。カレン・ロバートの思いが明かされた。続く後半は、ちょっとこぼれ話的に、かなりアウトローな対談をお届けする。
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カレン・ロバート
1985年6月7日生まれ、茨城県出身。スパンブリーFC(タイ)所属。
180センチ、75キロの恵まれた体格を持ち、市立船橋高時代にはスピードに乗ったドリブル突破と高い決定力で一世を風靡。高校選手権優勝、天皇杯での躍進など数々のインパクトを残し、04年に鳴り物入りでジュビロ磐田に加入。翌年のリーグ戦で13得点をたたき出し新人王のタイトルを獲得するなど順風満帆の時を過ごした。しかし以降はケガなどの絵依拠も大きく思うような成績を収められず、10年にロアッソ熊本に移籍。12年には心機一転、オランダのVVVフェンローへと活躍の場を移した。13年10月欧州残留の願いはかなわなかったが、タイのスパンブリーFCへと加入した。

加藤未央(かとう・みお)
1984年1月19日生まれ、神奈川県出身。
2001年に「ミスマガジン」でグランプリを獲得し、05年には芸能人女子フットサルチームにも所属。07年から09年まで「スーパーサッカー」(TBS)のアシスタントを務め、Jリーグや海外サッカーへの知識を深めた。現在は、スカパー! のサッカー情報番組「UEFA Champions League Highlight」や、ラジオ番組「宮澤ミシェル・サッカー倶楽部」などに出演、フットサル専門誌「フットサルナビ」でも連載を持っている。





加藤未央(かとう・みお)

1984年1月19日生まれ、神奈川県出身。 2001年に「ミスマガジン」でグランプリを獲得し、05年には芸能人女子フットサルチームにも所属。07年から09年まで「スーパーサッカー」(TBS)、09年から15年まで「スカパー!」 のサッカー情報番組「UEFA Champions League Highlight」のアシスタントを務め、Jリーグや海外サッカーへの知識を深めた。現在は、ラジオ番組「宮澤ミシェル・サッカー倶楽部」などにも出演し、フットサル専門誌「フットサルナビ」でも連載中。15年4月からオフィシャルブログ「みお線」もスタートした。http://ameblo.jp/mio-ka10/

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