副編集長・加藤未央が自ら筆を取る本コラム、その名も『パンツを右足から穿くように』。本コラムの読者であれば、「加藤未央のショートヘア」の話題を知る人も多いだろう。実際に、目の前で“断髪式”を目撃した人がいるかもしれない。今回の内容は、その“種明かし”とともに、フットボール選手とヘアスタイルについて。この関係性は、皆さんにとっても意外と身近なテーマではないだろうか。
text by Mio KATO
文=加藤未央先日行われたROOTSの夏フェスにて、たくさんの人のご協力とご尽力をいただきながら、フットサルの大会中に青空の下でヘアショーを行うという新しい試みにチャレンジすることができた。恐れ多くも私はそのヘアショーでモデルをやらせもらったのだけれど、胸よりも下まで伸びた髪の毛をバッサリとショートに、しかも大勢の前でカットするというのはなかなか緊張感のあるものだった。
髪をカットをしてくれたのは、渋谷のヘアサロン「マカロニコースト」でヘアデザイナーをされている川辺辰郎さん。私に似合うスタイルを用意周到に準備してくれていて、それを鮮やかなスピードでショーとして魅せながら仕立て上げるのは、流石プロの腕前だとしか言いようがない。
さて、ここで疑問を持たれた方もいるだろう。果たして、「加藤未央は本当に髪の毛を切ったのか?」と。
イベント後に、どこからか情報を仕入れた友だちから、「未央ちゃん、髪の毛切っちゃったんだね!」なんて連絡がちらほら届いたところでこっそり秘密をバラしてしまうと、実はこの日切られた髪の毛は私の本物の髪の毛ではなかったのである。事前にウィッグ(人生初!)を装着しておいて、それをカットするというまさにショー仕立てのパフォーマンスだったのだ。
それにしても、フットボールとヘアスタイルは切っても切れない関係にあると思う。“ベッカムヘア”が大流行した2002年の日韓ワールドカップの時、世の中のソフトモヒカン率の高さといったらなかったし、同時期のブラジル代表ロナウドの“大五郎カット”と言われた髪型もかなりのインパクトがあった。
元フランス代表のジブリル・シセの髪型は、中継でそれが映し出されると試合内容そっちのけでシセの頭から目が離せなくなったものだ。
もう少し最近で言うと、アトレティコ・マドリードに所属するフランス代表のアントワーヌ・グリーズマンの髪型がインパクトがあって思わず目を引いた。チャンピオンズリーグの中継を見ていてもグリーズマンの活躍が目立っていたし、それに比例して髪型も注目されていったように思う。スペイン代表のフェルナンド・トーレスがグリーズマンの髪型を真似たスタイルにしている写真を見た時にはちょっと驚いたものだ。
マンチェスター・ユナイテッドに所属するマルアン・フェライニはオリジナルな髪型を貫いているところが魅力だ。引きの画で試合を見ていても、一目で彼と分かるところに安心感がある。同じ意味でパリ・サンジェルマンでプレーするダビド・ルイスの髪型にも愛着を感じる。同じくパリSGのズラタン・イブラヒモビッチの侍のようなヘアスタイルも、今ではすっかりお馴染みになった。
う~ん、こうやって改めて考えてみても、やっぱりフットボールとヘアスタイルは密な関係にあるように思えてならない。流行している選手の髪型によってその時のサッカーのトレンドが見て取れるのかもしれない。オシャレ度の高いサッカー選手のそんなところに注目をしながら試合を観るのも、結構楽しいものだ。
さて、次に流行るのは一体どんな髪型だろうか。
加藤未央(かとう・みお)
1984年1月19日生まれ、神奈川県出身。 2001年に「ミスマガジン」でグランプリを獲得し、05年には芸能人女子フットサルチームにも所属。07年から09年まで「スーパーサッカー」(TBS)、09年から15年まで「スカパー!」 のサッカー情報番組「UEFA Champions League Highlight」のアシスタントを務め、Jリーグや海外サッカーへの知識を深めた。現在は、ラジオ番組「宮澤ミシェル・サッカー倶楽部」などにも出演し、フットサル専門誌「フットサルナビ」でも連載中。15年4月からオフィシャルブログ「みお線」もスタートした。http://ameblo.jp/mio-ka10/