日本史の教科書で見たことがある。
蹴鞠とはたしか、平安貴族が興じた遊びだ。
1400年ほど前に、中国から伝来したものらしい。
この京都の下鴨神社では毎年「蹴鞠始め」をしているようだ。
でもこれはちょっと様子が異なる。
美しい装束に混じって、ジーパン姿の青年がいる。
彼はTOKURAこと、徳田耕太郎。
アジア人で初めて、フリースタイルフットボールで世界一の座に輝いた人物だ。
これはもはや、蹴鞠の今昔物語だ。
源氏とか、昔も蹴鞠の名手がいたというが、果たして彼らが現代に現れたら、
TOKURAのパフォーマンスに驚愕するのだろうか。
それとも、いともたやすくやってしまうのだろうか。
球蹴りに、趣を感じる、一幕である。
文=ROOTS編集部