副編集長・加藤未央のコラム
『パンツを右足から穿くように』
まずは「手始めに、美女から」

　海外のサッカーの試合を見ていると、よくとびっきりの美女が中継で抜かれることがある。触りたくなるようなブロンドだったり、露出している肌よりも布の面積の方が圧倒的に少ないナイスバディだったり、見とれるような顔立ちだったり。国によって美女の雰囲気も違うからそれがまた楽しかったりする。大真面目な公式戦でもよくみられる試合中の“美女中継”は、サッカー中継における世界共通の楽しみ方なんだとしみじみ思う。ちなみに今までの経験からいうと、私のようなマッチ棒みたいな体系の女子は例えその現地にいようと、世界中に中継する試合でカメラに抜かれる確率は残念ながら極めて少ない。

　ぶっちゃけ、日本におけるサッカーってちょっと面倒くさいスポーツだと思っている。

　少し前、友達とご飯を食べている時にたまたま前の日にあった代表戦の話になり、そのうちの一人が戦術うんぬんパス回しの技術うんぬんという話を始めたのだけれど、それを聞きながら別の友達が「俺、サッカーあんまり興味ない。そういう話が面倒くさいねん」とボソッと漏らした。その気持ち、ちょっと分かる。

　サッカーほど一つの試合に対してあれこれと予想したり振り返って議論するスポーツを、私は知らない。代表戦ともなるとさらに特番が組まれたりするので、試合自体の情報よりもそういった議論の情報の方がはるかに世間に出回っている気がする。もちろん議論することは大事だし、それも一つの楽しみ方だと思っているが、試合を差し置いてそればかりが先行して頭でっかちになるのはどうかと思う。代表戦ばかりが注目されてJリーグにまで目がいかない人が多いのも、サッカーについて議論する場はあってもサッカーの魅力について語る場があまりないからではないだろうか。たぶんきっと、アギーレJAPANの批判はできても、カシマサッカースタジアムで売られているモツ煮の美味しさについて語れる人って少ないと思う。

　サッカー好きやサッカー経験者なら議論に興味を持てても、サッカーに興味のない人にとってそんな議論は嫌いな食べ物を出され続けているようなものではないだろうか。

　そこで原点に返ると、世界共通の美女中継に大きなヒントがあるように思う。女性目線で言い換えるなら、「ウッチー（内田篤人／シャルケ04）かっこいい!」、「長谷部さん（長谷部誠／アイントラハト・フランクフルト）の真面目さが好き」、「南野くん（南野拓実／セレッソ大阪）に胸キュン」といったところだろうか。言葉がなくても説得力のあるものこそ、魅力的だと私は思う。

　自分なりのイケメン選手を見つけても良し、スタジアムのお気に入りグルメを味わうでも良し、ゴール裏での熱狂的な応援に交ざって声が枯れるまで騒ぐでも良し、レプリカユニフォームやスポーツウェアで着飾ってオシャレを楽しむでも良し、選手の生き様に惹かれるでも良し、今シーズンのＪ1第18節の鹿島アントラーズ対サンンフレッチェ広島戦で見られた西大伍選手のスーパーゴールに震えたでも良し。

　とにかく自分なりのフットボールにまつわる「Love it!」を、このROOTS WEBを通して見付けてもらえたらという思いを込めて、ここをのぞいてくださる皆さんに「何か」をお届けできらたいいなと企んでいる。

加藤未央（かとう・みお）
1984年1月19日生まれ、神奈川県出身。
2001年に「ミスマガジン」でグランプリを獲得し、05年には芸能人女子フットサルチームにも所属。07年から09年まで「スーパーサッカー」（TBS）のアシスタントを務め、Jリーグや海外サッカーへの知識を深めた。現在は、スカパー! のサッカー情報番組「UEFA Champions League Highlight」や、ラジオ番組「宮澤ミシェル・サッカー倶楽部」などに出演、フットサル専門誌「フットサルナビ」でも連載を持っている。

加藤未央（かとう・みお）

1984年1月19日生まれ、神奈川県出身。 2001年に「ミスマガジン」でグランプリを獲得し、05年には芸能人女子フットサルチームにも所属。07年から09年まで「スーパーサッカー」（TBS）、09年から15年まで「スカパー!」 のサッカー情報番組「UEFA Champions League Highlight」のアシスタントを務め、Jリーグや海外サッカーへの知識を深めた。現在は、ラジオ番組「宮澤ミシェル・サッカー倶楽部」などにも出演し、フットサル専門誌「フットサルナビ」でも連載中。15年4月からオフィシャルブログ「みお線」もスタートした。http://ameblo.jp/mio-ka10/